ヨハネの福音書14章16節
イエス様は、十字架にかかる前の晩、晩餐の席で弟子たちに語られました。一つは、イエス様は弟子たちを僕(シモベ)と呼ばず友と呼び、友のために命を捨てて愛を示されるという事でした。もう一つは、イエス様が弟子たちのもとを離れる代わりに、一人一人の上に聖霊を送る事を、父なる神様にお願いをした事でした。
その後、五旬節の祭り(ペンテコステ)が行われている時に、弟子たちが滞在していた部屋で、不思議な現象を伴って、弟子たちの上に聖霊が降ったのでした。以来、イエス様を信じる者たち一人一人の内に聖霊が住まれるようになるのでした。
聖霊は、信じる者の内に住まれるイエス様ご自身です。信じる私たちを友と呼んで下さるイエス様はどこにおられるのか、そう私たちの内におられ、共に歩んで下さるのです。
「慈しみ深き」は、神様が弱い私たちを大切に思い、愛を注いで下さる事、私たちが悲しみや痛みの中にいる時に、共にいて、慰め、励まして下さる事を歌う、世界で最も知られている讃美歌です。この讃美歌は、新聖歌209番の楽譜にあるように、チャールズ・コンバースによって作曲されました。どうやら最初は、コンバースが住んでいた町エリーにちなんで、”What a friend Erie”としていたようですが、その後、作者不明であった詩に感銘を受け、”What a friend we have in Jesus”としたようです。
後になってこの詩を作ったのが、カナダで暮らしたアイルランド人のジョセフ・スクライブンであった事が判明します。ジョセフは20代の頃、婚約者に水難で先立たれ、悲しみが癒えた頃にカナダへと移住し、プリマス・ブラザレンの共同体でクリスチャンとして生き、教師をしながら貧しい人々を助け支える奉仕をしたそうです。何と、40代の時に出会った女性と婚約をしましたが、この方にも結核で先立たれました。その後、アイルランドで病気の療養をしていた母に送った手紙の中に、母を励ますために書かれた内容が、作者不明として知られていた詩であると、後にわかったのだそうです。

痛みや悲しみの中にいる時でも、愛を注いで下さるイエス様は、私たちのそばにいて下さいます。いいえ、聖霊として私たちの内に住んでおられるのです。
(by 牧師)